こんにちは。八王子市多摩地区の「おひとり様のサポーター」伊橋行政書士です。
日本の高齢化が進む中、「おひとり様」と呼ばれる独身または家族と離れて暮らす人々が増えています。このような状況では、病気や緊急事態に備える準備が特に重要です。自分自身の老後を安心して過ごし、また、死後の手続きがスムーズに行われるよう、身元保証や相続サポートを活用することが求められています。
1.身元保証とは?
身元保証とは、主に高齢者やおひとり様が病院への入院や高齢者施設への入居時に保証人としての役割を果たしてくれるサービスです。従来、保証人は家族や親戚が担っていましたが、家族がいない、遠方にいる、あるいは関係が希薄になっているなどの理由で保証人を確保できないケースが増えています。そのため、第三者が保証人の役割を提供する「身元保証サービス」のニーズが高まっています。
<身元保証サービスの主な役割>
・緊急時の連絡先: 病院で緊急事態が発生した際の対応。
・医療の同意: 治療や手術に関する同意書のサイン。
・施設入居時の保証: 高齢者施設での入居手続きやトラブル対応。
こうしたサービスは多くの民間企業や公益法人によって提供されていますが、サービス内容や費用は大きく異なります。事前に十分な比較と調査が必要です。
2. おひとり様のための相続サポート
おひとり様が亡くなった際、遺産や持ち物の整理、各種手続きの対応などは誰が行うのでしょうか。ここで役立つのが「相続サポート」や「死後事務委任契約」といった制度です。
<遺言書の作成>
おひとり様にとって特に重要です。遺言書がなければ、遺産は民法の規定に従って処理され、想定外のトラブルが起こりがちです。たとえば、遠縁の親族が急に相続人として現れたり、無縁のまま財産が国庫に帰属してしまうこともあります。遺言書を作成しておくことで、財産の配分を自分で指定し、意図した通りに手続きを進めることが可能です。
<死後事務委任契約>
亡くなった後に必要となる各種手続き(葬儀、役所への届出、金融機関の手続き、遺品整理など)を事前に契約しておく制度です。これにより、残された親族や友人に余計な負担をかけずに済むため、多くの独身者やお一人様にとって心強いサポートとなります。
3. サポートを受ける際の注意点
こうしたサポートを利用する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。まず、身元保証や死後事務委任を提供する会社や専門家が信頼できるかを確認することです。選び方としては、以下の点に注意しましょう。
<実績と信頼性>
提供者の実績をチェックし、信頼できるかどうか確認する。
・契約内容: 細かい条件や費用の詳細を事前にしっかりと把握する。契約内容に不明点があれば、必ず質問すること。
・費用対効果: サービスの費用が高額であることも多いので、自分のニーズに合った適切なプランを選ぶ。
また、行政書士などの専門家に相談することも一つの手です。彼らは法律に基づいた的確なアドバイスを提供してくれるため、安心して契約を進めることができます。
4. まとめ
おひとり様が安心して生きるためには、身元保証や相続サポートを早めに検討し、準備しておくことが大切です。これにより、緊急時の心配や死後のトラブルを未然に防ぎ、自身の意志を確実に実現できます。早めの準備を行い、専門家の支援を受けることで、老後の生活をより安心して過ごせるでしょう。
代表理事 伊橋誠一