行政書士が解説|八王子市で親なきあと障害のある子の住まいを考える
こんにちは、八王子市の伊橋行政書士です。今回は、東京都 八王子市多摩地区にお住まいのご家族の方へ、「親なきあと」、つまりご両親が安心して老後を迎えた後、あるいはご両親が先に亡くなられた後に、障害のあるお子さまがどこでどのように暮らしていくのか、住まいの選択肢や準備のポイントを丁寧に解説いたします。
なぜ「住まい」を今から考える必要があるのか
ご両親が健在な間は、家庭内で支えられていたお子さまの生活も、いずれは「親なきあと」の自立・生活継続を考えざるを得ない時がやってきます。住まいは、日々の暮らしの基盤。安心して生活できる住まいがなければ、支援も、地域とのつながりも、十分に機能しにくくなります。
八王子市では、障害福祉サービスや相談支援機関などの体制も整備されつつあります。例えば、住まいに関しては、「居住サポート住宅」という制度があり、障害のある方や高齢者、低所得者などの「住宅確保要配慮者」を対象に支援が行われています。
また、住まいや生活に関する相談支援として、 地域生活支援センターあくせすでは、グループホームや市内賃貸住宅への入居希望者への支援も行われています。
このように、制度や支援窓口があるからこそ、「住まい」を早めに検討・準備しておくことが、ご家族・お子さま双方にとって負担を軽くする第一歩です。
八王子市で選べる住まいの主なパターン
グループホーム(共同生活援助)
ご本人が地域社会の中で他の入居者や支援者と一緒に生活する形です。お子さまが「ひとり暮らし」よりも安心できる場を求める場合、検討されることが多い住まい方です。八王子市内では、障害をお持ちの方のための居住支援を行っている法人・施設も複数あります。
この選択肢のメリットは、24時間・365日支援体制が整っていたり、設備・環境が障害のある方向けに配慮されていたりする点です。一方で、入居までに待機があったり、家賃・光熱・食費などの実費がかかることもあります。
賃貸住宅+見守り・支援付き住まい(いわゆる居住サポート住宅)
ご本人が賃貸契約を結び、地域生活を主体としながら、見守りや安否確認、福祉サービスにつなぐ仕組みを活用する住まいです。八王子市では「居住サポート住宅」という制度があり、障害のある方も対象となっています。
このパターンの良さは、比較的「地域の中の普通の住宅」を利用できる点と、自立に近い暮らしができるという面にあります。ただし、自立度・生活能力・支援体制の整備状況によって適合性が変わるため、ご本人の状況とマッチングを慎重に確認することが大切です。
自宅継続+支援付きで暮らす(親御さんが生活支援契約を整える)
ご両親が元気なうちに「もしものとき」に備えて、ご自宅でお子さまが暮らし続けられるよう、支援契約や法的手続きを整えておく方法もあります。例えば、家賃が発生する賃貸と異なり、住み慣れた家での継続が可能というメリットがあります。
ただし、親御さんの高齢化・体力低下、住居のバリアフリー化、緊急時の対応など、リスク管理や支援体制づくりが不可欠です。行政書士としては、遺言・成年後見・信託・任意後見等の「法的仕組み」と連動して検討するようご助言しています。
伊橋行政書士視点で見る準備のステップ「3つのポイント」
①住まいを「見える化」する
まずは「どこに」「どんな環境で」「どのような支援を受けて」暮らすのかを、ご家族で描きましょう。具体的には:
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- 入居希望の施設・住宅をいくつか見学して比較する
- 費用(家賃・光熱費・食費・支援費用など)を把握する
- 支援体制(夜間・休日、緊急時対応など)を確認する
- お子さまの意向・ペース・生活リズムを尊重する
これにより、ご家族・ご本人が将来の暮らしに関して「イメージを共有」でき、安心感が増します。

②法的・資金的な備えを整える
住まいが決まっても、親御さんが亡くなった後の「支払い」「契約更新」「サービス継続」「緊急対応」などの実務が整理されていないと、せっかくの住まいも不安定になりかねません。
伊橋行政書士法務事務所・一般社団法人いきいきライフ協会八王子東としておすすめするのは:
- 遺言書の作成:お子さまの将来の生活を支える財産を明確にしておく
- 信託契約や家族信託:家賃・光熱費・食費を受託者が自動的に支払える仕組みを整える
- 任意後見・死後事務委任契約:ご両親の判断能力が低下したとき、支援者が代行できる体制づくり
また、八王子市では相談窓口もありますので、住まいや支援サービスだけでなく、法務・財務の観点からも専門家へ早めに相談されるのが望ましいです。
③地域とのつながり・支援ネットワークを使いこなす
住まいが「固定」されても、そこで暮らし続けるためには、日常の支援や地域とのつながりが重要です。八王子市では、例えば「障害者地域生活支援拠点」や「相談支援事業」など、ご本人・ご家族が利用できる体制があります。
ご家族が遠方にいる場合や、親御さんが先に体調を崩された場合でも、地域の支援者・行政・支援事業所と連携できていれば安心度が格段に高まります。
特に、「親なきあと」を安心して迎えるためには、若いうちから支援者や施設と信頼関係を築いておくこと、「知っている」「顔を知っている」「関係ができている」ということが大きな力になります。
よくあるご相談&その対応(行政書士からの視点)
Q. 「グループホームに入れるの?」という質問
A. グループホームへの入居には、障害福祉サービスの利用決定が必要です。また、八王子市では住まいや支援の相談窓口があり、契約手続きや入居準備のサポートが受けられます。 :
さらに、施設・住宅によって家賃・光熱費・食費など実費が異なりますので、契約前に「月額負担の目安」を必ず確認しましょう(例えば月額6万円~11万円程度のモデルケースもあります)
Q. 「自宅に住み続けさせたいが、どうしたらよいか?」という質問
A. 住み慣れた自宅で暮らし続けることは理想的ですが、将来的な支援体制や緊急時対応、住環境のバリアフリー化など「親なきあと」のリスクを最小化しておくことが重要です。
具体的には、親御さんの判断能力が低下した際の代行体制として任意後見を整える、緊急時の連絡先を明確にしておく、住宅のリフォームや介護・支援機器の設置を検討するなどが挙げられます。
まとめ:八王子市で安心できる「住まい」の備えをスタートしましょう
今回は、八王子市にお住まいのご家族に向けて、親なきあとに向けた障害のあるお子さまの住まいについて、住まいの選択肢・準備のステップ・よくあるご相談を行政書士の視点からお伝えしました。
繰り返しになりますが、住まいは「暮らしの土台」です。安心して暮らせる場を早くから検討し、法的・資金的な備えを整え、地域の支援ネットワークを活用することで、ご本人もご家族も安心して未来を描けるようになります。
ご相談は早めが安心です。私(伊橋行政書士法務事務所・一般社団法人いきいきライフ協会八王子東も、八王子市エリアに対応しておりますので、「どこから始めたらよいか」「何を準備すればよいか」についてお困りの際は、お気軽にご連絡ください。
TEL042-678-5225