空き家相続で兄妹が7年揉めた理由とは?遺産分割協議書が相続トラブルを防ぐ鍵【行政書士が解説】
こんにちは。八王子市の「感情を翻訳する行政書士」伊橋行政書士です。先日、Yahoo!ニュースで「もう限界…実家を壊したい」という記事を目にしました。空き家相続をめぐって兄妹が7年も揉め続けているという内容で、読んでいて胸が痛くなりました。
実はこうした相続トラブル、決して珍しいことではありません。私のもとにも、「仲の良かった兄弟が、親の死後に口もきかなくなった」といったご相談が日々寄せられています。
今回は、なぜこのようなトラブルが起きるのか、そして「遺産分割協議書」がどれほど重要な役割を果たすのかについて、行政書士の視点からやさしく丁寧に解説いたします。
なぜ「普通の家庭」ほど相続で揉めるのか?
「相続トラブルなんて、お金持ちの話でしょ?」と思われる方も多いのですが、実はそうではありません。
家庭裁判所の統計によれば、遺産分割事件の約78%が遺産総額5,000万円以下、さらに約3割が1,000万円以下のケースです。つまり、むしろ「普通の家庭」の方が揉めているのです。
その理由は明確です。遺産が現金だけなら分けやすいのですが、多くの場合「実家の土地・建物」という分けにくい財産が中心になるからです。
空き家問題では、こんな意見の対立が生まれます。
- 「もう誰も住まないから、早く売ってしまいたい」(長男)
- 「親の思い出が詰まっているから、売りたくない」(長女)
- 「自分は遠方に住んでいるから、関わりたくない」(次男)
- 「固定資産税や管理費用は誰が払うの?」(全員)
こうした状況で話し合いがまとまらないまま時間だけが過ぎ、やがて「7年も揉め続ける」という事態になってしまうのです。
遺産分割協議書とは何か?なぜ必要なのか?
ここで重要になるのが「遺産分割協議書」です。
遺産分割協議書とは、相続人全員で「誰が・何を・どのように相続するか」を話し合い、その合意内容を正式に書面にまとめたものです。
遺産分割協議書があることで、こんなことができます
- 不動産(土地・建物)の名義変更(相続登記)
- 銀行口座の解約・払い戻し
- 証券口座の名義変更・解約
- 自動車の名義変更
- 後から「そんな話は聞いていない」というトラブルの防止
特に2024年4月からは相続登記が義務化されており、不動産を相続した場合は3年以内に登記をしなければ罰則(過料)の対象となります。そのためにも、遺産分割協議書の作成は避けて通れません。
「口約束で決めたから大丈夫」「兄弟だから信頼している」という理由で書面を作らないと、後々大きなトラブルに発展することがあります。人の記憶は曖昧ですし、時間が経つと気持ちも変わります。必ず書面に残しましょう。
遺産分割協議書を「自分で作る」リスクとは?
インターネットで検索すれば、遺産分割協議書の雛形はたくさん見つかります。「これなら自分でも作れそう」と思われる方もいるでしょう。
しかし実際には、次のようなリスクがあります。
- 相続人の範囲を間違える(戸籍を正確に調べていない)
- 財産の記載漏れや表記ミスがある
- 不動産の地番・地目を間違える
- 後から「これでは銀行が受け付けてくれない」と言われる
- 相続人間で認識の違いが生じ、後でトラブルになる
特に不動産の表記は、住所ではなく「登記簿上の正確な地番・家屋番号」を記載しなければなりません。一文字でも間違えると、法務局で受理されないこともあります。

伊橋行政書士ができること──相続人の架け橋として
相続・遺言業務を行う「感情翻訳家行政書士」は、単に書類を作成するだけではありません。相続人の皆さまの間に立って、それぞれのお気持ちを丁寧に伺いながら、公平で円満な相続手続きをサポートする「架け橋」の役割を担っています。
行政書士が提供する遺産承継業務とは?
遺産分割協議書を作成した後も、実際の手続きは多岐にわたります。銀行、証券会社、法務局、市役所など、それぞれに必要な書類や手続きが異なります。
遺産承継業務とは、こうした煩雑な相続手続きを行政書士が代行し、最終的な財産の分配まで一貫してお手伝いするサービスです。
具体的には、以下のような流れになります。
- 相続人調査 ── 戸籍謄本を収集し、法定相続人を確定
- 財産調査 ── 不動産・預貯金・証券などの財産を洗い出し
- 遺産分割協議のサポート ── 相続人全員の意向を丁寧にヒアリング
- 遺産分割協議書の作成 ── 法的に有効で、各機関で使える書面を作成
- 各種名義変更・解約手続き ── 銀行・証券・保険などへの届出
- 財産の分配 ── 協議書に基づき、各相続人へ確実に分配
このように、相続人の方々が直接やり取りをしなくても、伊橋行政書士が間に入ることで、感情的な対立を避け、スムーズに手続きを完了させることができるのです。
「うちは仲がいいから大丈夫」が一番危ない
「うちの家族は仲が良いから、揉めることなんてない」──そう思われる方ほど、実は注意が必要です。
相続は、お金だけでなく、親への思い、公平感、家族の役割分担、将来への不安など、さまざまな感情が複雑に絡み合います。普段は仲が良くても、いざ相続となると意見が食い違うことは珍しくありません。
だからこそ、第三者である専門家が間に入ることで、冷静に、そして公平に話を進めることができるのです。
まとめ ── 大切な家族の絆を守るために
空き家相続で7年も揉め続けた兄妹のように、遺産分割協議書をきちんと作らないことで、大切な家族関係が壊れてしまうケースは少なくありません。
相続は「争族」にしてはいけません。遺産分割協議書という「証」をきちんと残すこと、そして必要に応じて行政書士などの専門家の力を借りることで、円満な相続を実現できます。
伊橋行政書士は、法律の専門家であると同時に、相続人の皆さまの気持ちに寄り添う「架け橋」です。どうぞお気軽にご相談ください。