預託金不要の死後事務委任契約が登場!おひとり様終活の新常識を行政書士が解説
20万円の壁が崩れた!終活に革命的変化
こんにちは。八王子市の「感情を翻訳する行政書士」伊橋です。
「親が一人暮らしで、もしものときが心配」
「自分には頼れる身内がいない。死後の手続きはどうすれば…」
こうした不安を抱えている方に、朗報です。
2024年9月、東京海上日動火災保険と愛知県のNPO法人が、画期的な終活支援サービスを開始しました。それは、従来20万円必要だった「預託金」が不要になり、月1,000円台の保険料で死後事務を託せるという、まさに終活の常識を覆す新サービスです。
この記事では、伊橋行政書士の視点から、このニュースの意味と、あなたが今すぐ知っておくべき終活の新常識を詳しく解説します。
1. 急増する「おひとり様」高齢者と社会課題
単身高齢世帯は2040年に全世帯の4割に
日本の単身世帯は急速に増加しています。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2040年には全世帯の約40%が単身世帯になると予測されています。
特に70代・80代の高齢者の中には、以下のような状況の方が増えています。
– 生涯未婚だった方
– 配偶者と死別した方
– 子どもがいない、または疎遠になっている方
– 子どもが遠方に住んでいて頼れない方
「死後事務」が放置される問題
こうした方々が亡くなった場合、誰が葬儀を行い、住居を片付け、各種の解約手続きをするのでしょうか?
実際には、遠縁の親族や、大家さん、行政が対応に苦慮するケースが後を絶ちません。賃貸住宅の残置物処理や、未払い費用の清算など、残された方々に大きな負担がかかっているのが現実です。
2. 従来の死後事務委任契約の「預託金問題」
死後事務委任契約とは?
死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後の事務手続きを、生前に信頼できる第三者(行政書士、司法書士、NPO法人など)に委任しておく契約です。
委任できる主な内容:
– 葬儀・火葬・納骨の手配
– 賃貸住宅の明け渡しと原状回復
– 遺品整理・家財の処分
– 電気・ガス・水道・携帯電話などの解約
– 年金・健康保険の停止手続き
– 親族や友人への死亡通知
預託金20万円が大きな壁だった
しかし、従来の死後事務委任契約には大きな問題がありました。それが「預託金」です。
多くの事業者は、契約時に20万円程度の預託金を求めていました。これは、実際に死後事務を行う際の費用(葬儀代、原状回復費用など)を賄うためのものです。
ところが、年金暮らしの高齢者にとって、この20万円はあまりにも高いハードルでした。「相談には来るが、預託金が用意できずに契約を諦める」というケースが相次いでいたのです。
3. 画期的な新サービス:保険を活用した預託金不要モデル
NPO法人と損保大手の異色コラボ
この問題を解決したのが、愛知県知多市のNPO法人・知多地域権利擁護支援センターと、業界最大手の東京海上日動火災保険による共同開発サービスです。
「約定履行費用保険」の仕組み
新サービスでは、「約定履行費用保険」という保険商品の枠組みを利用します。
仕組みの概要:
1. NPO法人が東京海上日動と保険契約を結ぶ
2. 利用者は月額利用料と保険料相当額の掛け金を支払う
3. NPO法人は集めた掛け金から保険料を一括して納める
4. 利用者が亡くなった際、火葬等にかかった実費を保険金として請求
つまり、利用者は最初にまとまった預託金を用意する必要がなく、月々の負担だけで済むのです。
利用条件と費用
– 対象年齢:*40歳以上
– 保険料: 60〜74歳で契約した場合、月額1,000円台(終身)
– 健康状態: 告知不要(持病があっても加入可能)
– 利用料:月額5,000円(見守りサービス含む)
従来の「20万円の一括払い」から、「月7,000円程度の分割払い」へ。この変化は、多くの方にとって利用可能な範囲に収まるはずです。

4. 行政書士が解説:死後事務委任契約の重要ポイント
遺言書だけでは不十分な理由
「遺言書があれば大丈夫」と思っている方も多いのですが、実は遺言書でできることには限界があります。
遺言書でできること:
– 財産の分け方を指定する
– 遺言執行者を指定する
遺言書ではできないこと:
– 葬儀の手配
– 賃貸住宅の明け渡し
– 各種サービスの解約手続き
つまり、「財産の承継」は遺言書で対応できますが、「死後の事務作業」は死後事務委任契約でしかカバーできないのです。
任意後見契約との組み合わせがベスト
さらに万全を期すなら、「任意後見契約」との組み合わせがおすすめです。
– 任意後見契約: 認知症になった後の財産管理や身上監護を託す
– 死後事務委任契約: 亡くなった後の事務手続きを託す
– 遺言書: 財産の承継方法を指定する
この3つを揃えることで、「判断能力が低下してから、亡くなった後まで」を一貫してサポートする体制が整います。
契約相手の選び方
死後事務委任契約を結ぶ相手は慎重に選ぶべきです。
選択肢:
– 行政書士・司法書士などの士業
– NPO法人や社団法人
– 信託銀行
– 民間の身元保証会社
チェックポイント:
– 実績と信頼性があるか
– 契約内容が明確か
– 費用が適正か
– 万が一の場合のバックアップ体制があるか
– 行政書士法などの法令を遵守しているか
※ 特に2026年1月からは行政書士法第19条の改正により、無資格業者による官公署への書類作成代行が厳格に禁止されています。契約相手の資格確認は必須です。
5. 70代・80代の親を持つ子世代へのアドバイス
「縁起でもない」は間違い
「親にそんな話をするなんて縁起でもない」と思う方もいるかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。
終活の準備をしておくことは、残される家族への最大の思いやりです。何の準備もないまま親が亡くなると、子世代は以下のような困難に直面します。
– どこに何があるかわからない
– 葬儀をどうすればいいかわからない
– 賃貸の大家さんから早く片付けるよう迫られる
– 親の交友関係がわからず、誰に連絡すればいいかわからない
今すぐできる「終活の第一歩」
まずは親子で以下のような会話から始めてみましょう。
「最近、終活のニュースをよく見るけど、お父さん(お母さん)は何か考えてる?」
「もしものときのこと、一度話しておきたいんだけど」
そして、簡単なエンディングノートを一緒に書いてみることをおすすめします。
記録しておくべき情報:
– 預貯金口座の一覧
– 保険証券の保管場所
– 年金手帳や各種証書の場所
– かかりつけ医や服用中の薬
– 連絡してほしい友人・知人のリスト
– 葬儀の希望(規模、宗派、予算など)
#6. まとめ:元気なうちに備える終活のススメ
今回ご紹介した「預託金不要の死後事務サービス」は、愛知県でのモデルケースですが、全国展開を目指しているとのことです。
このニュースから私たちが学ぶべきことは、「終活の選択肢は確実に広がっている」ということです。
保険という仕組みを使うことで、従来は経済的理由で諦めざるを得なかった方々にも、安心の選択肢が生まれました。こうした新しいサービスは、今後さらに増えていくはずです。
「一社)いきいきライフ協会八王子東」・「伊橋行政書士法務事務所」にご相談ください
「うちの場合はどうすればいいの?」
「費用はどのくらいかかるの?」
「保険を使ったサービスと、従来型、どちらがいいの?」
こうした疑問や不安があれば、ぜひお近くの行政書士にご相談ください。
死後事務委任契約、遺言書、任意後見契約。これらの法的サポートは、伊橋行政書士の専門分野です。あなたとご家族の状況に合わせて、最適なプランをご提案いたします。
人生の最期まで、自分らしく、安心して過ごすために。
私たち行政書士が、全力でサポートさせていただきます。
【参考記事】
朝日新聞デジタル「おひとりさま終活『預託金の壁』崩す新保険 大手損保とNPO開発」
https://www.asahi.com/articles/AST9T26CLT9TULLI00GM.html
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