【民法改正で「遺言=絶対」の時代は終わった】感情を翻訳する行政書士が教える、おひとり様のための家族信託活用術
■ はじめに──「遺言書があれば安心」はもう古い
こんにちは。八王子市の「感情を翻訳する行政書士」伊橋です。
「ちゃんと遺言書を作っておけば、相続は大丈夫」
そう思っている方は多いのではないでしょうか。しかし、民法改正や高齢化社会の進展により、遺言だけでは対応しきれない問題が増えています。
それが「認知症による財産凍結リスク」です。
遺言書は、あくまで「亡くなった後」の財産分けを決めるもの。生きている間に認知症になってしまった場合、財産は動かせなくなり、遺言書もまったく意味をなしません。
そこで注目されているのが「家族信託(民事信託)」という仕組みです。
私は行政書士・身元保証相談士として、高齢者おひとり様の終身サポートに携わる中で、この家族信託がいかに有効かを日々実感しています。
今回は、家族信託が認知症対策として選ばれる理由と、おひとり様がどう活用すべきかについて、できるだけわかりやすくお伝えします。
■ 遺言書では防げない「認知症リスク」とは?
認知症になると、法律上「判断能力がない」と見なされ、以下のようなことができなくなります。
・銀行口座からお金を引き出す
・不動産の売却や賃貸契約
・介護施設への入所契約
・生前贈与や相続税対策
つまり、いくら財産があっても「動かせない」状態になってしまうのです。
これを「口座凍結」「資産凍結」と呼びます。
本人が認知症になった場合、家族であっても勝手に本人の財産を使うことはできません。銀行は本人確認ができなければ、払い戻しに応じてくれません。
結果として、介護費用や生活費が必要なのに、お金が引き出せないという事態が起きるのです。
■ 成年後見制度では不十分?その理由
「それなら成年後見制度を使えばいいのでは?」
そう思われるかもしれません。しかし、成年後見制度には以下のような課題があります。
1. 財産を「守る」ことが優先され、柔軟な運用ができない
2. 不動産の売却や相続税対策ができないことが多い
3. 後見人への報酬が毎月数万円かかる(生涯続く)
4. 家庭裁判所の監督下に置かれ、自由度が低い
成年後見制度は、あくまで「本人の財産を減らさないこと」を目的としているため、積極的な資産活用や相続対策には向いていません。
そこで、もっと柔軟に対応できる制度として注目されているのが「家族信託」なのです。
■ 家族信託とは?わかりやすく解説
家族信託とは、自分の財産を信頼できる家族に「管理してもらう」契約です。
登場人物は3人。
・委託者(財産を預ける人)=本人
・受託者(財産を管理する人)=息子・娘・甥姪など信頼できる家族
・受益者(財産から利益を受ける人)=本人(または指定した人)
たとえば、親が自分の財産を息子に信託します。
親が認知症になっても、息子が「受託者」として財産を管理し続けることができるため、介護費用の支払いや不動産の売却もスムーズに行えます。
しかも、利益を受けるのは親(受益者)なので、息子が勝手に財産を使うことはできません。
つまり、「管理権限」と「利益を受ける権利」を分けることで、安全かつ柔軟な財産管理が可能になるのです。

■ 家族信託が「認知症対策」に選ばれる5つの理由
① 認知症になっても財産が凍結されない
信託契約によって、受託者が財産を管理する権限を持つため、本人が認知症になっても銀行口座や不動産を動かせます。
② 柔軟な財産運用が可能
成年後見制度と違い、家庭裁判所の許可なく、不動産の売却や相続税対策ができます。
③ 毎月の費用がかからない
信託契約時に専門家報酬や登記費用がかかりますが(数十万円〜)、その後の月額費用は基本的に不要です。
④ 二次相続まで指定できる
「自分が亡くなったら長男に、長男が亡くなったら孫に」といった、先々の承継先まで指定できます。
⑤ 本人の意思を尊重できる
契約内容は自由に設計できるため、「こう使ってほしい」という本人の希望を反映できます。
■ おひとり様こそ家族信託を活用すべき理由
「でも、私には頼れる家族がいない」
そう思われる方もいらっしゃるでしょう。
実は、家族信託は「家族がいる人」だけのものではありません。
信頼できる甥や姪、親しい友人、を受託者にすることも可能です。
また、家族信託と「身元保証サービス」を組み合わせることで、財産管理から生活支援、死後事務まで、トータルでサポートする体制を整えることができます。
私自身、行政書士・身元保証相談士として、おひとり様の「誰にも迷惑をかけたくない」という気持ちに寄り添いながら、家族信託という選択肢をご提案しています。
制度を知っているかどうかで、人生の安心感はまったく変わります。
■ 家族信託を始めるタイミングは「今」
「まだ元気だから大丈夫」
そう思っているうちに、認知症は忍び寄ってきます。
家族信託は、本人に判断能力があるうちにしか契約できません。認知症になってからでは遅いのです。
また、信託契約には専門的な知識が必要です。
契約内容の設計、登記手続き、税務上の注意点など、専門家のサポートを受けながら進めることをおすすめします。
■ まとめ──「感情を翻訳する」視点で、あなたの未来を守る
遺言書は、あくまで「死後の意思表示」。
家族信託は、「生前も死後も、あなたの想いをつなぐ仕組み」です。
私は「感情を翻訳する行政書士」として、制度の説明だけでなく、ご本人の不安や希望をしっかりと受け止め、それを形にするお手伝いをしています。
「誰にも迷惑をかけたくない」
「自分らしく最期まで生きたい」
「大切な人に、ちゃんと想いを残したい」
そんなあなたの気持ちを、家族信託という形で守ることができます。
もし少しでも気になったら、ぜひ一度、専門家に相談してみてください。
あなたの未来を、一緒に考えましょう。
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【参考記事】
民法改正で「遺言=絶対」の時代はすでに過去…信頼できる人に財産を託す「家族信託」が〈認知症の相続対策〉に選ばれる納得の理由
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb3143b1611cf37e4a977cd8b03f87af18d33221