「名義預金」に注意!相続トラブルを未然に防ぐために
八王子市の皆さま、こんにちは。行政書士として相続業務に日々携わる中で、意外と見落とされがちな「名義預金」によるトラブルを目の当たりにしています。本記事では、行政書士の目線から“名義預金”の実態と、その対策をわかりやすく解説いたします。相続問題に直面する前にぜひご一読ください。
1.名義預金とは?
名義預金とは、本来の預金者(被相続人)の意志に基づきながら、法律上は別の名義人(子どもや配偶者など)の名義で管理されている預金を指します。表面上は例えば「長女名義の預金口座」でも、実際には被相続人の財産とみなされる場合があります。
★ 典型的なパターン
- 高齢の親が子どもに通帳・印鑑を預け、出し入れを任せている。
- 親の預金を子どもの口座に移し「自分のじゃない」と主張する。
- 預金額が大きいにもかかわらず、遺産分割協議で無視される。
2.なぜ名義預金でトラブルが起きるのか?
名義預金は以下の理由で、相続の際に大きな問題に発展することがあります。
① 被相続人の真の意図が不明確
預金名義が子どもであっても、実質は被相続人の資産である場合、遺産から除外されず、遺産分割協議で改めて扱われる必要があります。
② 税務調査や相続税の追徴対象になり得る
税務当局は名義預金を被相続人の財産と判断し、相続税の課税対象に含めることがあります。結果、相続人に追加課税が生じるリスクがあります。
③ 相続人間の公平性が損なわれる
特定の相続人名義に預金が集まると、他の相続人との間で「不公平だ」と争いが起きやすくなります。特に兄弟姉妹間で不信感が高まり、相続関係が悪化することも珍しくありません。
3.八王子市内の相続事例:名義預金が引き起こしたトラブル
実際に八王子市内の事例で、以下のようなケースがありました。
- 事例A:母親の通帳を長女に預け、年間数百万円単位で出し入れ。相続後に長男・次男が存在に気づき、遺産分割協議が数か月延長。
- 事例B:腰が弱く通院が多かった父親名義の預金を家族で管理。相続時に「名義は長男だが親のもの」と強く主張され、話し合いが難航。
どちらも法的には問題なくても、相続トラブルとしては典型例です。八王子市のご家庭にも似た状況が少なくありません。
4.名義預金と判断される4つのポイント
名義預金とみなされるかどうかは、以下の視点に注目されます。
- 通帳・印鑑の保管先:被相続人が管理せず、別の相続人が保管していた。
- 遣途(用途)の内容:私的な支出で被相続人の生活支出に利用されていた。
- 振込元:被相続人自身の口座からの移動が確認される。
- 被相続人の意識:口頭・書面により「これは自分のための金だ」と明言していた。
上記のうち多数が当てはまるほど、名義預金と判断されやすくなります。
5.スムーズな相続のための対策方法
名義預金を避けるための具体的な対策を以下にご紹介します。
① 元の預金者名義を維持する
被相続人の預金はなるべく名義を改めず管理する。家族に預ける場合も別名義にせず、通帳・印鑑は被相続人自身で管理する形を維持しましょう。
② 贈与契約書や証拠書類を整備
仮に子ども名義に移した場合は、「いつ」「いくら」「何のために」贈与したかを明示した書類を残すことで、後の争いを防ぎやすくなります。
③ 日常生活費の支払い方法を整える
預金の用途が被相続人の生活費に充てられる場合、領収書や用途記録を残しておくことで、相続時に「本来の持ち物だった」と説明しやすくなります。
④ 専門家への早期相談
相続が近づいたら、八王子市の相続の専門家に相談し、名義預金の有無、相続対策の整備を進めることが重要です。行政書士は書類作成や手続き支援が得意です。
6.伊橋行政書士ができるサポート内容
八王子市の行政書士として、以下のサポートが可能です。
- 現状分析(通帳・印鑑・証明書類などの確認)
- 名義預金の有無と財産評価の整理
- 贈与契約書や財産移転の証拠書類の作成支援
- 遺産分割協議書の作成支援とアドバイス
- 相続税対策の基本設計や税理士への紹介
7.まとめ:名義預金には要注意!早めの対策が肝心
“名義預金”は表面上は小さな問題に見えるかもしれませんが、実際には相続時に大きなトラブルにつながることがあります。八王子市で安心して相続を迎えるために、次の点を心がけましょう:
- 被相続人本人の口座名義は変更せず管理する
- 贈与の場合は書面で形を残す
- 日常費用の用途は証拠として記録する
- 相続手続きは専門家へ早めに相談する
名義預金に不安がある方、整理が必要な方はいつでもお気軽にご相談ください。八王子市で安心・納得の相続をサポートいたします。
— 八王子市 相続専門 伊橋行政書士法務事務所:「八王子多摩相続遺言お悩み相談所」