遺産が不動産だけなら要注意!八王子市で起きやすい相続トラブルと防止策
こんにちは。八王子市で相続・遺言に関するご相談を承る「八王子多摩相続遺言お悩み相談所」・伊橋行政書士です。相続では、遺産の中身が「現金・預金・株式など」と多岐にわたるケースもありますが、遺産が**不動産だけ**というケースも少なくありません。しかし、それゆえに揉めやすく、対策を怠ると大きな争いに発展する恐れがあります。本記事では、八王子市あるいは東京都近郊で起きやすい不動産のみ相続のトラブル事例と、その**防止策**を、行政書士の視点からやさしく丁寧にご案内します。
不動産だけ遺産の相続で起きやすいトラブル
1. 遺産分割で「分けられない」問題
不動産は物理的に「分ける」ことができません。仮に土地を分筆できたとしても、道路アクセスや固定資産税の分担、境界線の関係などで揉める可能性があります。また、建物が一棟まるごと残された場合、誰が住むか・誰が賃貸に出すかなどを巡って相続人間で意見が分かれやすいです。
2. 共有名義と管理・修繕負担の争い
相続人が複数いて共有名義となると、管理(清掃・修繕・保険料など)や賃料収入の配分方法で意見が対立しやすくなります。誰が修繕をどの範囲で行うか、資金負担はどう分担するかなど、細かなルールが定まっていないと不公平感が生まれます。
3. 売却タイミング・売却価格を巡る対立
相続人が売却を望む場合、タイミングや売却価格で争いになることがあります。「早く現金化したい」派と「長く持っておきたい」派、「高値で売りたい」派など、利害が一致しないケースは多いです。また、不動産業者によって査定額が異なるため、その差を根拠に揉めることもあります。
4. 相続税・固定資産税の負担でもめる
不動産は流動性が低いため、相続税を支払うために現金が必要になるケースがあります。しかし、現金が手元にないと、他の相続人に現金を出してもらうか、物件を手放す選択を迫られます。このとき、「なぜ自分が多く出すのか」「売却価額で不公平があるのではないか」といった不満が生じやすいです。
八王子市・東京近郊ならではの注意点
路線価・地価変動リスク
東京都八王子市でも地価の上下動が激しい地域があります。10年後・20年後の地価予測は難しく、相続時点での価格評価が高かった土地が将来値下がりする可能性も。相続人によって「今売った方が得」かどうかの判断が変わるため、タイミングで対立が生じやすいです。
市街地近接 vs 農地・郊外地の扱い
市街地近くの土地は需要が高く、売却しやすい反面価格変動リスクも高め。一方、郊外や農地など流動性が低い不動産では換金性・利用可能性が制限され、共有や分割が難しくなります。立地によって相続人の見方が変わることを意識する必要があります。
境界確定や古い登記の問題
古い不動産だと、境界線が曖昧、隣地との境界でトラブルがある、登記が複雑・未整備というケースがあります。こうした瑕疵が後から露見すると、相続後に他の相続人との間で責任をめぐる争いになる可能性があります。
行政書士ができる防止策と対策
遺言書の作成(自筆遺言・公正証書遺言)
最も基本かつ重要な対策が遺言書の作成です。不動産を誰に相続させるか、あるいは売却して現金を分ける意向を明確に記しておくことで、相続人間のトラブルを防ぎやすくなります。公正証書遺言なら形式の不備リスクが低く、法務局での保管制度も利用可能です。
遺産分割協議書の予備的合意
相続が発生する前に、相続人間で「もし不動産だけの相続になったらこう分ける」「売却して分ける」などの予備的合意を文書化しておく方法もあります。これは法的拘束力が強いものではありませんが、相続人同士の方向性をそろえておく上で有効です。
共有物分割の方法をあらかじめ決めておく
遺産が複数人で共有になる可能性がある場合、共有物分割の方法(売却、分割、権利移転など)についてあらかじめルールを定めておくことが望ましいです。例えば、一定期間内に売却する、賃貸に出すなら収益配分のルールを決める等の取り決めを遺言書や協議書に書き込むと良いでしょう。
不動産の現状調査・再評価
相続前に不動産の現況をチェックし、境界・建物の劣化・近傍の地価相場を調査しておくのも大切です。これにより、後から価額をめぐる争いを避ける材料になります。伊橋行政書士は、必要に応じて土地家屋調査士や不動産鑑定士と連携して調査を手配できます。
専門家との連携・相談
相続・遺言・不動産をめぐる紛争は専門性が高いため、行政書士だけでなく、税理士・不動産業と横断的に連携することが理想です。特に相続税が絡む場合や境界紛争がある場合は、適切な専門家と早期に相談することでリスクを低減できます。
まとめ:八王子市で不動産のみ相続なら、先手が肝心
遺産が**不動産だけ**というケースは、一見シンプルに見えるかもしれません。しかし、物理的分割の不可、共有管理、売却タイミング、税負担、境界問題など、多くの争点が潜んでいます。特に八王子市・東京都近郊では地価変動や立地特有の事情も加わるため、感情論だけでは割り切れない問題が出てくることもあります。
だからこそ、**遺言書を作ることが何よりも有効な対策**です。そして、遺言書だけでなく、遺産分割の予備的合意、共有物分割ルール、現状調査、専門家との連携といった複合的な対策を講じておくことが望まれます。
もし「八王子市で遺産が不動産だけの相続でどうすればいいか不安だ」「遺言書を作りたい」「共有名義になる可能性があるのでトラブルを避けたい」というご相談があれば、どうぞお気軽にご連絡ください。「八王子多摩相続遺言お悩み相談所・伊橋行政書士法務事務所」として、やさしく丁寧にサポートさせていただきます。
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