疎遠になった家族だからこそ、相続をきっかけにもう一度「意思」をつなぎたい
こんにちは。東京は多摩地区八王子市の「感情を翻訳する行政書士」伊橋です
相続の現場では、財産をどう分けるかという問題以前に、「家族同士で話ができない」という現実に直面することがあります。
長年疎遠だった親子。
何年も連絡を取っていない兄弟姉妹。
過去の出来事から、直接話せば感情的になってしまう関係。
そうしたご家族の相続に関わるとき、私が感じることがあります。
「本当は、争いたいわけではないのではないか」
私は行政書士として、ご家族に「仲直りしてください」と言いたいわけではありません。
仲良くならなくてもいいのです。
しかし、お互いの意思が届かないまま、誤解だけを残して相続を終えてほしくない。
その思いが、私が「感情翻訳家行政書士」として遺産承継業務に携わる根本にあります。
「お金でもめている」ように見えて、本当の理由は別にあることがあります
相続では、表面的には財産の分け方をめぐって対立しているように見えても、その背景にまったく別の感情があることがあります。
「自分だけが親の面倒を見てきた」
「昔から兄ばかり可愛がられていた」
「あのとき自分を助けてくれなかった」
「家族なのに、自分だけ蚊帳の外だった」
長年積み重なった負担感、不公平感、寂しさ、怒り。
普段は表に出なかった感情が、相続をきっかけに一気に表面化することがあります。
ところが、本人もその感情をうまく言葉にできるとは限りません。
その結果、
「法定相続分では納得できない」
「自分はもっともらうべきだ」
「遺産は一円もいらない」
といった、財産についての強い言葉として表れることがあります。
相手から見れば、それが単なる強欲や身勝手な主張に聞こえてしまう。
そうして、本当に伝えたかった気持ちから、さらに遠ざかってしまうことがあります。
私が大切にしている「感情を翻訳する」ということ
私が遺産承継業務において大切にしているのは、言葉の表面だけを見るのではなく、その背景にある事情や想いにも目を向けることです。
「あの人は遺産が欲しいだけだ」
と決めつけるのではなく、
「長年の介護による負担を誰かに理解してほしかったのではないか」
「ずっと自分だけ軽く扱われてきたと感じているのではないか」
という視点を持つ。
反対に、
「遺産は一円もいらない」
という言葉の背景には、
「これ以上家族と関わって傷つきたくない」
という気持ちがあるかもしれません。
言葉にならない想いをくみ取り、必要に応じて整理し、相手に誤解されにくい形へ整えていく。
私はそれを「感情の翻訳」と考えています。
家族だからこそ、第三者が入る意味があります
家族同士なら直接話せばいい。
第三者から見れば、そう思えるかもしれません。
しかし実際には、家族だからこそ言えないことがあります。
恥ずかしさ、プライド、罪悪感、怒り、悲しみ。
さらに相続の場合、
「自分から連絡したら、お金を要求していると思われるのではないか」
という不安もあります。
過去の積み重ねがあるからこそ、一言の意味が必要以上に重く受け取られてしまうこともあります。
そのようなとき、専門家という第三者が関わることで、感情と手続きを整理しながら相続を進められる場合があります。
仲直りさせることが目的ではありません
私は、ご家族を無理に仲直りさせることを目的としているわけではありません。
相続人同士が仲良くなることが、必ずしも相続のゴールではないからです。
私が大切にしたいのは、
「相手の考えや背景を理解したうえで、自分はこう考える」
という状態です。
関係が元通りにならなくても構いません。
それでも、
「自分の意思はきちんと伝えられた」
「相手がなぜそう考えているのかは理解できた」
「だから、この結論を自分で受け入れることができる」
そう思える状態で相続を終えていただく。
それが、私の考える「意思の橋渡し」です。
遺産承継は、家族の「最後の共同作業」かもしれません
私は、遺産承継を単なる相続手続きの代行とは考えていません。
亡くなった方が遺した財産を確認し、必要な手続きを行い、それぞれの相続人へ承継していく。
そこには、書類だけでは整理できないものがあります。
亡くなった方との関係。
兄弟姉妹それぞれが歩んできた人生。
介護や援助など、それまで家族の中で担ってきた役割。
そして、これから家族としてどう関わっていくのか。
そう考えると遺産承継とは、亡くなった方を中心として家族が行う、最後の共同作業ともいえるのではないでしょうか。
だからこそ私は、単に手続きを終わらせるのではなく、その承継が最後まで適切に着地することを大切にしています。
遺産承継業務として、相続全体を見渡します
相続では、さまざまな手続きが必要になります。
相続人や相続財産に関する資料の収集・整理、各種書類の作成、関係機関での手続き、財産承継に必要となる事務など、その内容はご家庭によって異なります。
私が遺産承継業務で重視しているのは、それぞれの手続きをバラバラに見るのではなく、相続開始から財産の承継までを一つの流れとして捉えることです。
そして、その過程で相続人それぞれの意思や事情を丁寧に確認しながら、行政書士として対応できる業務を進めていきます。
なお、相続人間ですでに法的な争いが生じている場合など、行政書士の業務範囲を超える案件については、必要に応じて弁護士等の適切な専門家への相談をご案内します。
「終わった」だけではなく、「向き合えてよかった」と思える相続へ
遺産承継業務が終わったとき、依頼者や相続人の方に感じていただきたいのは、
「やっと終わった」
という安堵だけではありません。
できれば、
「あのとき、ちゃんと向き合えてよかった」
という納得感を持って、それぞれの生活へ戻っていただきたいと思っています。
もちろん、すべての希望が叶うとは限りません。
家族関係が元通りになるとも限りません。
それでも、
「自分の想いをきちんと伝えることができた」
「相手にも相手なりの事情があったことを理解できた」
そう思えるだけで、相続が終わった後の気持ちは変わるのではないでしょうか。
届かなくなった意思を、もう一度つなぐ
家族を仲直りさせるのではない。
届かなくなった意思を、もう一度つなぐ。
これが、私が「感情翻訳家行政書士」として大切にしている考え方です。
疎遠になった家族だからこそ、相続をきっかけに、もう一度それぞれの意思を確認する機会にしてほしい。
直接伝えにくい事情があるなら、その背景を整理する。
感情的になってしまうなら、一度言葉を整理する。
誤解が生じているなら、何が食い違っているのかを確認する。
そして、それぞれが自分の意思で次へ進めるよう、必要な相続手続きを支えていく。
相続は、財産を分けるだけの手続きではありません。
亡くなった方が遺したものを受け継ぎ、それぞれの未来へつないでいく営みでもあります。
もし今、相続を控え、ご家族との関係や手続きに不安を感じているのであれば、一人で抱え込まず、一度ご相談ください。
「誰に何を相談すればいいのか分からない」
その段階からでも構いません。
状況を一つずつ整理し、これから必要になる手続きと、ご家族それぞれの意思を確認しながら、遺産承継を支えてまいります。
【お問い合わせ・無料相談】
八王子多摩相続遺言お悩み相談所」(伊橋行政書士法務事務所内)
TEL 042-678-5225